HSKとは何か
継承語と継承文化(HSK)コースで行われる授業では、複数の言葉を使用する児童および青少年が本人の継承語の運用能力を向上させることができます。あるいは、継承語の運用能力の向上を促す基盤となるものを習得することができます。子供達は、自分の継承文化もしくは両親またはどちらかの親の継承文化に関する知識を深め、「異なる世界」の狭間に立つ自分の状況に正面から向き合い、取り組むことによって、自分が住んでいる社会に溶け込む能力を身につけることができます。その社会とはスイスかもしれませんし、他の受け入れ国かもしれません。また、もしかしたら帰ることになる出身国かもしれません。HSK授業は生徒の言語的、認知的、社会的、感情的な成長を総合的に支援するものです。
基本理念
–HSK授業においては明るい建設的な雰囲気の中で学ぶことの楽しさを知り、感性を磨き、体を動かしたりゲームに興じたりできます。
–HSK授業は生徒の年齢、予備知識および能力に合わせて継承語運用能力を向上させます。また、生徒達にバイリンガルであることが役に立つものであり、さらなる可能性をもっていることを認識させます。さらに、複数の言葉が使用できることは社会の財産であると理解させ、肯定的な良いことであるという意識を培います。
–マルチリンガルであることは、今日の多文化社会でますます重要になってきており、社会的、文化的、経済的な意味での資源ともいえます。マルチリンガルの青少年は職業社会にとけ込める可能性が大きく、将来における職業の選択に際しても有利であるといえます。
–児童や青少年達は、様々な帰属意識、文化、伝統、歴史などによるアイデンティティの型を知り、経験し、その相違するアイデンティティから生じる軋轢や摩擦をいかに回避して行くか、あるいは上手につきあっていくかを学びます。